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税 務

       雑種地の評価(倍率地域のケース)

                   税経管理第4部 部長 林 克己


 雑種地を評価する際、その地域が倍率地域でかつ、倍率表に雑種地の倍率

が定められている場合には固定資産税評価額に倍率を乗じて求めれば良いの

ですが、雑種地の倍率が定められていない地域の場合にはその土地の実態に

より4つの区分(下記参照)に分類して評価することとされています。

 ここでは、下記@からCの中から@の雑種地の評価をとりあげます。

1.雑種地の定義

 宅地、農地(田及び畑)、山林、原野、牧場、池沼及び鉱泉地以外の土地

→その実態は多種多様

<具体例>ゴルフ場、遊園地、運動場、競馬場、野球場、採氷池、貯雪場、

発電所敷地、テニスコート、ドッグ、引込線敷地、鉄塔敷地、網干場、稲干

場、塚地、紫草地、不毛地、砂地、土取場跡、荒ぶ地、へい獣捨場 等

雑種地の評価

@  AからCに掲げる雑種地以外の雑種地の評価

A  ゴルフ場の用に供する雑種地の評価

B  遊園地、運動場、競馬場の用に供する雑種地の評価

C  鉄軌道用地である雑種地の評価

2.雑種地の評価

(1) 近傍地比準額方式による評価

   その雑種地と状況が類似する付近の土地(比準地)について評価した

  1uあたりの価額を基とし、その比準地とその雑種地の位置、形状等の

  条件の差を考慮して評価した価額に、その雑種地の地積を乗じて計算し

  た金額により評価します。

(算式)評価対象地に係る    近傍比準地と    評価対

    近傍比準地の1u ×  評価対象地と ×  象地の

    当たりの価格      の較差割合     地積

(2) 市街化区域内にある雑種地(宅地比準方式)

(宅地として評価した場合の1uあたりの価額−宅地に転用する場合の1u

 あたりの造成費)×地積(u)

 宅地として評価した場合の1uあたりの価額

   その土地が宅地であるとした場合の1uあたりの価額は、倍率方式の

  地域の場合には、近傍宅地の固定資産評価額(評価する土地に最も近接

  した道路からの位置、形状等が最も類似する宅地の固定資産評価額)を

  基に計算することになります。近傍宅地の固定資産評価額は、実務的に

  は評価する土地等の固定資産評価証明書を請求する際に窓口に申し出て

  証明書に付記してもらうことになります。

 宅地に転用する場合の1uあたりの造成費

   整地、土盛り又は土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められ

  る地域ごとに国税局長の定める金額。これには平坦地の宅地造成費と傾

  斜地の宅地造成費があります。「平坦地の宅地造成費」の「地盤改良費」

  は、水田のような軟弱な土質で、宅地造成をするに当たり地盤改良を要

  する土地に限り適用されます。


  「傾斜地の宅地造成費」の金額は、整地費、土盛費、土止費等の宅地造

  成に要するすべての費用を含めて算定したものとなっています。

(3)市街化調整区域内にある雑種地





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