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税 務

Bitcoin!

東京支部 部長 大羽威史

令和6年11月5日にアメリカ大統領選挙が行われました。かつての大統領選挙は「日本にどんな影響があるかなあ」と他人事のように考えておりました。しかし、今年の大統領選挙は自分にとっては全く別の大統領選挙になりました。なぜかというと、選挙の公約の中に「アメリカをBitcoin大国にする!」と宣言して大統領選挙に挑んだからです。Bitcoinや仮想通貨に投資していた人たちは歓喜したことでしょう。ドナルド・トランプの当選が確定すると瞬く間に仮想通貨の価値が上昇していきました。今後もしばらくの間は仮想通貨の価格は上昇していくような印象を受けています。

あくまでも私見ですが、仮想通貨がどのようになっていくのかについて考えてみたいと思います。

■トランプ大統領の誕生

何と言っても今回の仮想通貨の価格上昇の立役者であるトランプ大統領(実際は令和7 年1 月20 日就任)です。ご存じの通り「America is NO.1!」を掲げており、仮想通貨市場においても覇権を握ると宣言しています。

また、トランプ氏はアメリカで発行された仮想通貨には課税しない、まだ大統領に就任していないにもかかわらず、仮想通貨に否定的な米国証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長を退任に追い込んだり、「戦略的なビットコインの備蓄」を約束したりするなど次々と仮想通貨に対する政策を公言しております。こういったことが今後4 年間は行われていくのかなと思うと期待が膨らみます。

■イーロン・マスクと仮想通貨の関係

イーロン・マスク氏はテスラやスペースXで有名ですが、仮想通貨界隈でもかなりの影響力を持った人物であり、常にその言動がかなりの注目を集めています。有名なところで言うと「DOGE」という仮想通貨についてTwitter(現在:X)でつぶやいたところ何百倍にもなったという話もあります。こういうチャンスは偶然のものなので、つかめる方はほぼ皆無に等しいと思うのですが、今後のイーロン・マスクのXなどの発言に注意してみると思わぬ利益を取得できるかも・・・。特にXの有料オプションの支払いをどの仮想通貨で行うかについては、個人的にとても注目しています。

■なぜ今Bitcoinが注目されているのか?

確かに令和7年1月20日にトランプ大統領が誕生し、そのトランプ大統領が仮想通貨に友好的であることは価格上昇につながると思いますが、本当にそれだけなのでしょうか?

実は令和6年は4年に一度到来する「Bitcoin半減期」に該当し、新規に発行させることができるBitcoinの枚数が「半減」するということです。単純に考えると新規発行できるBitcoinの枚数が逓減していくので、希少性が生まれ価値が上がっていくというイメージです。近年の価格を確認してみても令和5年10月頃は1BTCが400万円前後でしたが、令和6年12月初旬の時点では1BTCが1,450万円を超えている状況です。

■令和7年の価格はどうなるか?

半減期やトランプ大統領の誕生があって価格が上昇している傾向にありますが、実際令和7年の価格予想において、世間ではどのような意見があるのでしょうか?過去の客観的なデータを見ると「過去の半減期の翌年」に仮想通貨の価格が大幅に上昇しています。これは過去に実績として事実なのですが、だからと言って令和6年の半減期の翌年である令和7年に価格が上昇する保証はどこにもありません。過去の価格変動を鑑みて、令和6年から令和7年も同様の変動があると判断できれば、投資判断ができるし、同様の変動がないと判断するなら様子を見守るということになりそうです。

■税金の計算に当たって

仮想通貨で儲けた場合、その所得が雑所得に該当し、総合課税で最高税率は55%(住民税含む)というのは皆さんもよく知っていることではないかと思います。しかし、仮想通貨を複数回売買して利益を算出した場合の取得価額の計算は理解していますでしょうか?

基本的に個人の仮想通貨の取得価額を計算するときには「総平均法」という計算方法を用います。

総平均法は取得した金額を合計して購入した数量で除すれば問題ありません。
しかし、次のような場合はどうでしょうか?

10月31日1BTCを1,000万円で購入

11月30日1BTCを1,500万円で売却

ここで年末を迎えて年を越せば、500 万円の雑所得が発生して総合課税で確定申告をすれば問題はありません。

ただ、例えば12月20日にBitcoinが大暴落して、1BTCを500万円で追加購入して年を越した場合はどうでしょうか?

多くの皆さんは最初に購入したBitcoinは500万円の所得が出て、追加で購入した500万円の1BTCを所有しているというようには思わないでしょうか?これは誤りです。仮想通貨の取得価額の計算は総平均法で行います。購入しているBitcoinは2枚で、購入金額の合計額は1,500万円です。

つまり、取得価額において最初は1,000万円でしたが、12月20日に追加で購入したことによって取得価額が750万円に変わることになります。そして、売却金額は1,500万円(1BTC)なので、1,500万円(売却金額)-750万円(取得価額)=750万円(雑所得)となり、所得についても最初は500万円と思っていたところ、250万円増えて750万円の所得となります。当然、所得が増えてしまった分、税金も増えてしまいます。

最後に・・・

皆さんの中にも既に色々な投資を行っている人も多いと思います。今回のニュースでは、仮想通貨の投資を推奨するかの内容のように思えるかもしれませんが、株でもFXでも仮想通貨でも投資は自己責任でお願いいたします。

ビットコインのイラスト画像
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