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サロン
浴衣(ゆかた)の由来と風呂敷の語源
税経管理第9部 大場 宏美
そろそろ夏の風物詩「浴衣」(ゆかた)の似合う季節になりました。そこ
で今回は「浴衣の由来」とそれに関連して「風呂敷の語源」についても
紹介します。
■ 浴衣の由来
浴衣(ゆかた)とは本来当て字で語源は、昔風呂に入る時に着用して
いた着物、湯帷子(ゆかたびら)からきています。
☆ 浴衣の始まりは・・・
平安時代に貴族が入浴時にまとった湯帷子(ゆかたびら)にさかのぼ
り、今日のように夏だけに限られたものではありませんでした。
☆ 湯帷子(ゆかたびら)とは・・・
入浴とはいっても今とは違い蒸風呂で、汗を吸い取るためとヤケド
をしないために白い麻の薄い単衣を着ていました。これが「湯帷子」
です。室町時代には手拭いならぬ「身拭い」と言われていたそうです。
☆ 銭湯が誕生し庶民に広がった江戸後期・・・
この頃には、浴衣も次第に銭湯からそのまま着て外に出るようにな
り、生地も庶民的な木綿に変わっていきました。特に歌舞伎役者が
着ていたことによって大いに広められたようです。
☆ 浴衣が夏の普段着として定着したのは明治に入ってから・・・
それまでの本藍の手染めに変わって大量生産が可能な「注染」という
染色方法が発明されてからだそうです。この頃から、夏の普段着と
して愛用されるようになりました。
☆ そして平成の現在・・・
最近では、色柄・帯・髪飾りなども多種多様になり、幅広い年代で「
夏のおしゃれ着」として人気があります。着物からは縁遠くなった現代
ですが、夏祭り、花火大会など浴衣は夏の欠かせない風物詩となって
います。
■ 風呂敷の語源
室町時代、大名たちが将軍足利義満の大湯殿に招かれた時に脱いだ
衣服を間違えないよう家紋入りのふくさに衣服を包み、湯上りには
このふくさの上で身繕いをしたそうです。これが風呂で敷く布、「風
呂敷」の語源になったそうです。こちらも最近ではおしゃれな柄も増
え、どんな形の物でも包めるという点が見直され、さまざまな活用
法で人気があるようです。
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