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労 務

令和6 年度地域別最低賃金額改定
~厚生労働省が全ての都道府県の答申を取りまとめる~

税務管理第9部 部長 角田(伸)

厚生労働省は、都道府県労働局に設置されている地方最低賃金審議会が答申した、令和6年度の地域別最低賃金の改定額を取りまとめました。

この答申された改定額は異議申出等の手続き後、都道府県労働局長の決定により、10月1日から11月1日までに順次発効される事となります。

1.令和6年度の地域別最低賃金の改定額はどのような状況ですか?

(1)改定額の全国平均額は1,055円(前年度は1,004円)、引上額の平均額は51円、これは昭和53年度の制度が始まって以来の最高額のようです。

(2)近隣の都道府県の改定額と、引上額、発効日は下記の通りです。

  • ・東京都 1,163円 50円 令和6年10月1日
  • ・千葉県 1,076円 50円 令和6年10月1日
  • ・茨城県 1,005円 52円 令和6年10月1日

(3)最高額が東京都の1,163円、最低額は秋田県の951円、引上額が一番大きいのが徳島県で84円です。徳島県は全国で最後の答申になり発効日は令和6年11月1日となります。

2.最低賃金が適用される対象者は?

(1)地域別最低賃金は、パートターマーやアルバイト、臨時や嘱託などの雇用形態に関係なく、都道府県内で働く全ての労働者とその使用者に適用されます。

(2)下記のような一般の労働者より著しく労働能力が低い場合などは、都道府県労働局長の許可を受けることで個別に最低賃金の減額特例が受けられます。

  • ・精神又は身体の障害により著しく労働能力が低い方
  • ・試用期間中の方
  • ・基礎的な技能等の認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定 める方
  • ・簡易な業務に従事する方

(3)上記の申請に関しては使用者が「最低賃金の減額の特例許可申請書」(所定様式2通)を作成し提出が必要です。詳細は労働基準監督署へお尋ね下さい。

3.対象となる賃金とは?

(1)労働者へ支払われる基本的な賃金で、残業代や賞与は対象外になります。

(2)下記は最低賃金の対象とならない賃金の一例です。

  • ・精皆勤手当や家族手当
  • ・通勤手当
  • ・臨時手当(結婚手当など)
  • ・各種割増賃金(時間外手当、休日出勤手当、深夜手当など)

4.最低賃金の確認方法は?

下記は全て上記最低賃金の対象とならない賃金は除いて計算します。

(1)時間給の方の場合

時間給と最低賃金を比較します。

(2)日給の方の場合

日給を1日の所定労働時間で除した時間給と最低賃金を比較します。

(3)月給の方の場合

月給を1か月の平均所定労働時間で除した時間給と最低賃金を比較します。

(4)日給と月給の組み合わせの方の場合

上記⑵と⑶の計算からそれぞれの時間給の合計額で最低賃金と比較します。

(5)出来高払制(歩合給など)の方の場合

所定労働時間に関係なく、月間総労働時間で除した時間給と最低賃金を比 較します。

5.最低賃金を支払わないとどうなるの?

(1)最低賃金未満の賃金しか払ってない場合は、使用者は労働者に対し差額を支払わなければなりません。

(2)地域別最低賃金以上の賃金を支払わない場合は、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められています。

詳細に関しては、「厚生労働省/ポイント!最低賃金」を参照して下さい。

https://saiteichingin.mhlw.go.jp/point/page_point_what.html

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